著作権法で保護される「著作物」とは、「思想、感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」をいいます。「創作的に表現したもの」であるので、たとえば他人のアニメや俳句を単に書き写したもの等は含まれません。それらは複製物といい、著作物とは区別しています。そこで「思想、感情を創作的に表現したもの」であれば、たとえ子どもが書いた絵、作文、彫刻であっても、上手下手は関係なく著作物ということができます。
著作物を創作した著作者には著作権が発生します。著作権を保有する人に無断で著作物を利用することはできません。
演劇、演奏が非営利で行なわれ、観客から料金を受けず、演劇者、演奏者に報酬が支払われなければ著作権者の許諾はいりません。
「©」のマーク(俗称「マルシーマーク」)はCopyright(著作権)のことをいいます。たいていはその著作物の権利者と創作年が続けて書かれています。日本では特に書いていなくても著作権があることには何の変わりもありません。日本国内では、慣行として使用されています。(法的な表示義務はありません。)
著作物を創作した段階で著作者には著作権が自動的に付与されます。権利を取得するために登録する必要はありません。
ただし、著作権登録制度は、その目的とは別の理由で設けられています。詳細はQ14をご参照ください。
著作物の保護期間がきれていないときは著作権者の演奏権(財産権としての著作権の支分権のひとつ)との関係で許諾が必要です。著作権者とは作詞家・作曲家・編曲者及びそれらの人から権利の譲渡を受けた者をいいます。
なお、FM放送から録音し、適宜ピックアップしたものを録音媒体に固定して、それを店内で流すような場合には、著作者の複製権、実演家の録音権、レコード製作者の複製権、放送事業者の複製権との関係で権利処理が必要となります。
アジア諸国において、日本の音楽に対する人気は年々高まってきています。これらの国々では日本のレコード会社などからライセンスを受けてレコード・CDを製作しているのですが、この海外において製作されたレコード・CDが日本へ逆輸入(還流)され、安く販売されているのです。
※環流防止のための規制
以下の5つの要件をすべて満たしているときには、著作権者(作詞家・作曲家・レコード製作者・歌手等)は還流防止措置を講じることができる。
同じ楽曲のレコード・CDが安く買えるなら、消費者にとっては歓迎すべきことかも知れません。
しかし、逆輸入されたレコード・CDが安く販売されることにより、本来売れるべき国内盤が売れなくなり、作詞家や作曲家、歌手・レコード会社などの経済的利益に大きな影響を与える事態が生じています。
インターネットで合法的に配信されている音楽をダウンロード(複製)して私的に楽しむのであれば「私的な使用」にあたり、著作者の許諾がいらないことは、ご指摘の通りです。
しかしながら、違法な音楽配信サイトやファイル交換ソフト等により違法に配信されている音楽や映像作品のダウンロードは、「私的な使用」には該当しません。つまりダウンロードそのものが違法となり、刑事罰の対象にもなりますので、お気をつけください。
原則的には保護されないでしょう。著作権法は「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属する」著作物を保護する法律です。これらのものは単に言葉を羅列して組み合わせたものにすぎないため、この定義には当てはまるほどの創作性を持っているとはいいがたいでしょう。しかし、短くても中には俳句などと同じように保護に値する場合もあります。ケースバイケースと言うことになります。
保護されます。著作権法第10条第1項第9号は著作物としてプログラムをあげています。ただし、プログラムを表現する手段であるプログラム言語やプログラム言語の用法についての特別の約束としての規約、指令の組み合わせの方法である解法には保護は及びません。
また、データベースの著作物も「情報の選択又は体系的な構成」によって創作性を持つものは保護されます。ただしこの場合に、そのデータベースがいくつもの著作物からなるときは、個々の著作物の権利は消滅しないことに注意する必要があります。それぞれ、コンピュータ・プログラムは昭和60年、データベースは昭和61年の法改正で明文化されました。
キャラクターのイラストをデザインしたあなたにはもちろん「著作権」があり保護されます。またホームページは不特定多数の人が閲覧できるものですので、著作物を例外的に無断利用できるとされている「私的私用」の範囲を超えています。先方に「著作権者である私から使用許諾を得てから使用して下さい」と堂々と主張しましょう。使用の停止を求めることもできます。
両方から得る必要があります。日本語訳版の小説(原作の「二次的著作物」)の著作者は「翻訳者」ですので、当然「翻訳者」の了解を得なければなりません。また「原作者」は、自分の著作物をもとに作られた二次的著作物を第三者が利用することについて、翻訳者と同じ権利を持ちますので、「原作者」の了解も必要となります。翻訳されたもの、脚色されたものと思われるもの、映画化されたものなどを利用する際には、「原作があるのではないか」「原作者は誰か」といったことに十分注意する必要があります。
著作権法第10条第2項では、「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道」は著作物に該当しないとあります。しかしながら、これは訃報や人事異動などの限られたものを指すものと理解されています。記事については著作権法により保護されているものとして扱い、その新聞社に連絡して利用の許諾を得ることが重要です。
デザインの対価の支払が自動的に著作権の譲受を意味するとの解釈には無理があります。むしろ、具体的な著作権譲渡契約を締結しないときには、著作権は著作者に留保されているとみるのが一般的理解となっています。また著作権譲渡の契約を交わしたときでも、契約書又は譲渡証書中に「著作権(著作権法第27条及び第28条の権利を含む。)を譲渡したことに相違ありません」のような文言を入れないときには、著作権の二次的利用の権利権、変形権・翻案権は譲渡されないことに留意する必要があります。
今回のような変形・改変に関することで、トラブルを防止するためには、「著作権法第27条及び第28条の権利を含む。」の文言を含む形で著作権譲渡契約するとともに、「著作者は著作者人格権に基づく権利行使をしない。」という特約も入れた契約をすることも効果的です。著作者人格権は一身専属性の権利であり契約によっても譲渡されない権利であるためです。
著作権の譲渡があったときには、当事者間の契約の成立により譲渡は有効となりますが、第三者には対抗できません。譲渡により権利を得た事業者が、著作権の譲渡があったことを文化庁に登録することで、第三者対抗要件を確保できますし、知的財産権を登録番号で特定して管理することにもつながります。
また、第一発行日や公表日の登録申請を文化庁に対して行うこともあります。プログラムの著作物であれば、(財)ソフトウエア情報センターに創作日の登録を行うことも可能です。この登録により第一発行日や第一公表日、創作日(プログラム)、さらには著作者名も含めて、法的には正しいものとして推定されます。著作権をめぐって争いとなったときには、立証責任が軽減されるという利点があるため、将来の法務リスク軽減の観点から、著作権登録制度を活用するケースもみられます。
ペンネームで音楽などの著作物を公表したようなとき、文化庁に実名登録をすることにより、著作物の保護期間の終期が「公表から50年」から「死後50年」に延長されて保護されます。
その他、出版権の設定登録、質権設定登録などもあります。
文化庁への著作権に関する登録申請については行政書士が代理手続を行っています。
なお、この手続は行政書士の独占業務となっています。当事務所にご相談下さい。
著作権の原則的保護期間は、著作者の死後50年までですから、この小説家の著作物は著作権の保護期間中にあります。
貴社は、この小説家の相続人(原則として順序は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順)と出版許諾契約、出版権設定契約もしくは著作権譲渡の契約をする必要があります。出版権を独占的なものにしたい場合は、著作権者と出版権の設定契約を結び、存続期間、出版開始の時期、対価の額、支払方法、支払時期などを定め、文化庁に出版権設定登録申請を行うとよいでしょう。文化庁への著作権に関する登録申請については我々行政書士が申請代理手続を行っています。
著作権の譲渡の場合は、譲渡の範囲及び翻訳権、翻案権及び二次的著作物の利用に関する権利を契約内容に定めておいたらよいでしょう。
なお、著名な作家などの場合、遺族(相続人)以外の企業や団体に著作権が移転又は管理されている場合もありますので、ご留意下さい。
著作者になり得るのは,通常、実際の創作活動を行う個人ですが、法的には会社等が著作者となる場合があります。具体的には、次に掲げる要件をすべて満たす場合に限り、会社等が著作者になります。
・法人著作の要件法人等の使用者側の「発意」に基づき作成されること
・法人等の業務に従事する者が創作すること
・職務上の行為として創作されること
・公表する場合に法人等の名義で公表されるものであること
(但し、プログラムの著作物については、公表されない場合も多いため、この要件は不要とされています)
・契約や就業規則に、「職員を著作者とする」という定めがないこと
※著作権法上の「法人」には、法人格を有しない社団・財団で代表者・管理者の定めがあるものも含まれます。
著作権相談員とは、日本行政書士会連合会が定めた講義カリキュラムに基づく「著作権相談員養成研修」を修了し、所定の試験に合格した者で、著作権相談員名簿に登載された者です。この名簿は、文化庁等に提出されます。
著作権相談員は、「著作権分野の契約・行政手続の専門家」として日本全国に4249名(平成22年2月現在)おり、著作権登録や契約書作成などの依頼・相談に応じております。
~出典「大阪府行政書士会HP」